全般相場はトランプ大統領の登場待ち!

杉村富生 兜町ワールド

全般相場は120日のトランプ次期アメリカ大統領の就任式待ちの状況である。なにしろ、破天荒な人物だけに、「120日を過ぎないと、本格的に動けない」との声が多い。実際、デンマーク自治領のグリーンランドを買収する、パナマ運河の管理権奪取を狙うなど、言動はメチャクチャだ。まあ、それまでは様子見姿勢が続くだろう。

ただ、政権の座についたら現実的な対応に変わるだろう。それに、欧州はウクライナ情勢が不透明だし、中国は貿易摩擦の“火種”を抱えている。ともに、買いづらい。インドもおかしい。その点、日本は別である。政治は不安定だが、景気は上向いているし、企業業績は好調である。

実際、外国人、年金などの買いが入り始めている。テーマ性を有するアドバンテスト(6857)、IHI(7013)、フジクラ(5803)などがターゲットになっている。セブン&アイ・ホールディングス(3382)はTOBの思惑がくすぶっているが、資金面でのオーナー側のMBOが現実味を帯びつつある。

外国人は2024年に、先物を中心に約5兆円売り越した。それを吸収したのは年金、自社株買いなどの国内勢だ。NISAは外貨資産に流れている。しかし、素っ高値圏のアメリカ株を買うのはNISAの主旨として「どうか」と思う。

すでに、ドラッケンミラー氏はエヌビディア(NVDA)、ウォーレン・バフェット氏はアップル(AAPL)を売っているではないか。相場巧者は「炎の先を見つめ」、素人は「炎に突っ込む」、これが投資の世界の現実である。ドラッケンミラー氏は底値圏のシーゲイト・テクノロジー・ホールディング(STX)などを買っている。

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