日米の長期金利上昇の本当の理由?(中)

杉村富生 兜町ワールド

日本の長期金利の上昇要因は日銀の金融政策にある。いわゆる、量的金融引き締め(QT)だ。年間50兆円ペースの国債売却が国債価格の下落→金利上昇を招いている。先の日銀金融政策決定会合では9人の審議委員のうち、2人が反対票を投じた、という。マスコミは「日銀が利上げを加速」と唱えている。

これが長期金利を押し上げている面がある。しかし、これは違う。ターミナルレート(利上げ局面において、最終的な金利水準の予想)は8月頃には2.00%~2.50%といわれていた。最近ではこれが1.75%~2.00%に切り下がった。日銀幹部には「せいぜい1.50%」と語る向きもある。利上げはあと、1~2回ではないか。

日本の金融当局には金融正常化(異次元の金融緩和の後始末?)、インフレ(物価高)対応に加え、円安阻止の“命題”(内外の圧力)がある。ベッセント財務長官のほか、トランプ大統領が「円は安すぎる」と言い出している。確かに、やっかいだ。まあ、円高は避けられないだろう。

ただ、再三指摘しているように、高市政権はサプライチェーンの確保(経済安保)のために、製造業の国内回帰を推進している。半導体が好例だろう。本音は「円安歓迎」だ、と思う。利上げについては日銀の審議委員にリフレ派2人(浅田委員、佐藤委員)を送り込んだのが如実に物語っているが、基本は「利上げ反対」である。

2027年の7月には金融引き締め派の2人(高田委員、田村委員)が退任する。後任はリフレ派だろう。結果的にリフレ派が9人の審議委員のうち、4人になる。日銀総裁、副総裁2人(計3人)は政府の方針には逆らわない。そう、利上げには限界があろう。光電融合技術を有するNTT(9432)の出直りが期待できる。

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