日米欧利上げラッシュの様々な理由?(下)

杉村富生 兜町ワールド

円安阻止を受け、日銀は来年4月までに2回~3回の利上げを断行、政策金利を1.75%~2.00%とする腹積もりのようだ。なお、今回の会合では9人の審議委員のうち、2人が利上げに反対票を投じた、という。高市政権が任命したリフレ(財政出動→金融緩和)派の2人である。この2人は浅田審議委員、佐藤審議委員である。

最近、強硬に金融引き締め(利上げ)を叫んでいるのは高田審議委員と田村審議委員である。実は、この2人は2027年7月23日に退任する。当然、高市政権は後任にリフレ派を送り込むだろう。結局、日銀総裁、副総裁(2人)を除き、審議委員(6人)中、4人がリフレ派となる。

さらに、2028年3月19日には副総裁(2人)が退任する。すなわち、内田副総裁、永見野副総裁である。同年4月8日には植田総裁が退任の予定だ。要するに、金融正常化に際しての時間的な余裕はほとんどない。金融引き締め派は焦っているはずだ。このため、利上げスピードを加速させようとしている。

さて、利上げスピードを加速できるか、足元(来春以降)の状況は難しい局面を迎えつつある。QT(量的金融引き締め)については2027年4月以降、年間40兆円~50兆円ペースの日銀保有の国債売却を中止し、毎月2兆円規模の国債購入に切り替える。イギリスと同様、国債需給の改善をにらんだ措置だろう。

これを受け、長期金利の上昇ピッチは抑制されるはずだ。利上げスピードは鈍る?強硬派の思惑通りにうまく事は運ばないだろう。日立製作所(6501)、富士通(6702)、NTT(9432)をはじめ、材料含みの北川鉄工所(6317)、ELEMENTS(5246)、岩手銀行(8345)、ソフトバンクグループ(9984)は狙える。

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