東京海上ホールディングス、東京電力ホールディングスを狙う!(2)

杉村富生 兜町ワールド

改めて、述べるまでもない。東京電力ホールディングス(9501)は再建途上にある、それに、国家管理会社だ。電力会社にとって、生命線の配当は皆さん方の「ご存命中は無理」と唱えている。ただ、円高メリットは享受できる。とはいえ、買いづらいのは間違いない。そんな会社に、どんな魅力があるのだろうか。

今年1月、東京電力ホールディングスは「第五次総合特別事業計画」を策定(国が認定)している。再生計画である。7段階(フェーズ)に区分されたその流れはまず、新潟県柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働だ。これは4月16日に営業運転を開始した。東京電力ホールディングスにとって、14年ぶりの原発再稼働になる。

この効果は大きい。LNGなどの使用量を削減でき、電源調達コストを大幅に低下させることが可能になる。試算によると、「コスト圧縮は年間3000億円」にのぼる、という。これがキャッシュフローの改善につながる。さらに、1ドル=155円台突入の円高効果がある。

すなわち、2番目のステージは財務改善である。すでに、経常利益は2027年3月期が3100億円、28年3月期が4500億円と、「利益を出せる会社」に変わっている。これは事故処理会社が普通の電力会社(キャッシュフローを生む)に変わることを意味し、将来的には成長企業を目指す壮大なプロジェクトになる。

第3段階は福島原発の廃炉事業の抜本改革だろう。すでに、会社側は9000億円の損失を計上している。原発の事故に関しては外国ではその処理に国が関与する。日本は事業主に丸投げだ。もちろん、賠償は引き続いて、東京電力ホールディングスが責任を負う。

経済評論家 杉村富生の講演会情報を更新しました。
9月は鳥取・とりぎん文化ホール(10日)、福岡・リファレンスHS福岡天神貸会議室(11日)、
栃木・サンプラザ栃木(12日)、鳥取・米子コンベンションセンター(24日)、
大阪・難波御堂筋ホール(26日)、10月は兵庫・洲本商工会議所(2日)で開催します。
ぜひ、ご参加をされてはいかがでしょうか。会場でお会いしましょう。
https://e-stock.jp/lecture/

目次