三池山の裏側、筆者の生家の近くの山には「赤い石炭」がゴロゴロしていた。茶色の褐炭だ。当時の風呂は五右衛門風呂、薪で湯を沸かしていた。そのとき、この「赤い石炭」を5~6個投げ入れると、火力が違う。あっという間に、風呂が沸くのだ。これはやみつきになる。
筆者は小学生だったと思う(風呂担当?)。母の母(ばあちゃん)に、「石炭をそんなにくべると、釜が溶けるぞ」と怒られた記憶がある。まあ、コークスは鉄鉱石を製錬するのに使われる。「釜が溶ける」との警告は分からないでもない。「楽をしてはいかん」との戒めだったのだろう。
ほどなくして、その低質の褐炭の採掘が始まったのだ。大規模に坑道を作り、本格的に操業した。中学生の頃だ。品質は悪くても採算に合ったのだろう。昨今の石炭見直しは似たようなもの。発展途上国はこぞって石炭導入を進めている。しかし、元の時代に戻るのは難しい。株価は伸び悩んでいる。
昔は北海道炭鉱、太平洋炭鉱、常磐炭鉱など多くの炭鉱会社が上場していた。日本コークスというコークス専業の会社もあった。しかし、今は、日本に石炭採掘会社はない。だが、住石ホールディングス(1514)、三井松島ホールディングス(1518)、太平洋興発(8835)は業態を変え、しぶとく生き残っている。
住石ホールディングス、太平洋興発はオーストラリア産の輸入炭の販売を行っている。三井松島ホールディングスは2023年に石炭事業から撤退した。惜しい。やっていたら間違いなく株価が急騰しただろうに。「脱石炭」が叫ばれ、石炭はCO2(二酸化炭素)排出の元凶と言われてきた。撤退は理解できる。
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