アンソロピック・ショックは一巡の兆し?(2)

杉村富生 兜町ワールド

予想された通りの結果である。米連邦最高裁はトランプ政権の国際緊急経済権限法(IEEPA)を使った相互関税について、「違憲」との判断を下した。9人の判事のうち、6人が「IEEPAは大統領に関税をかける権限を付与していない。議会の承認が必要だ」と。最高裁の判事はトランプ派が6人だが、トランプ政権にはショックではないか。

しかし、トランプ大統領は負けていない。今度は「1974年通商法122条」に基づく、一律15%の追加関税を課す、という。ただし、この措置は150日の期限付きだ。世界を分断させ、通商摩擦を引き起こすトランプ関税騒動は収まる気配がない。当面、トランプ政権の外交・通商政策に株式市場は振り回されることになろう。

さて、先週に紹介した青山財産ネットワークス(8929)の株価は好業績にもかかわらず、株価の下げが加速した。ファンダメンタルズの善し悪しはまったく関係ない。もちろん、「需給はすべての材料に優先する」との教えは理解できる。これがファンド(機関化現象)の特性である。その後も売られている。しかし、ちょっとひどすぎないか。

株式市場は多種多様の参加者があってこそ、公平な価格形成が行われる。だが、機関化現象の進展はそれを危うくする。値動きが一方通行になるとともに、リクルートホールディングス(6098)、ノースサンド(446A)のように、暴落のケースを出現させる。ファンドは「売る」と決めると、徹底してトコトン(全部)売る。

さらに、アンソロピック・ショックはハイテク系セクターの株価に重石である。アメリカ市場のS&P総合500ソフトウェア・サービス指数の急落が好例だが、マグニフィセント・セブン(アメリカ市場の時価総額上位7)の時価総額はこの1ヶ月間に、182兆円減少した。明らかに、ハイテク非ハイテクの資金シフトが起こっている。

2月28日(土)にパンローリング主催の投資戦略フェア EXPO2026を開催します。

会場は東京・ベルサール渋谷ガーデンになります。

筆者(杉村富生)の登壇時間は10001040です。入場は無料、ぜひご参加を。

2026年前半の相場展望、および活躍期待セクターについて解説します。

https://www.panrolling.com/seminar/expo2026/

目次