まあ、この局面はやはり、利食い優先、現金ポジションを高める投資作戦が有効だろう。満ち潮でないと、売るに売れない。引き潮では押し値を下げても、下げても売りそこなってしまう。皆さん、経験があると思う。10月4日を見極めて出動しても十分間に合うと判断する。あせる必要はない。相場は明日もある。
日銀が保有するETF(上場株式投信)、REIT(上場不動産投信)の残高は70兆円(簿価37兆円)、7000億円(同6500億円)である。これを「絶対に損をしない」という条件下、ETFを年間6200億円、REITを同50億円売却する。あくまでも単純計算だが、売却が終了するまでにETFは110年超、REITは140年かかる。
いや~、気が遠くなるような話である。誰も生きていない。現在、プライム市場の売買代金は1日に5兆~8兆円ある。さらに、自社株買いが2023年に9.6兆円、2024年に18兆円あった。今年は23兆~25兆円と予想されている。この程度のETF売りは問題なく吸収できるだろう。
結論的には日銀のETF売りはほとんど株価に影響がない、と思う。ただ、主軸株は折りに触れて売り圧力の“影”に備えることになろう。かつての共同証券、日本証券保有組合(合計6500億円取得、昭和40年7月12日の日経平均株価は1020円、この日の時価総額は7兆円)の売りは心理的にマーケットを揺さぶった記憶がある。
だからこそ、10~11月相場では思惑妙味のAIストーム(3719)、nmsホールディングス(2162)、シンクロ・フード(3963)、データセクション(3905)などキナ臭い銘柄での小すくい戦術が有効、と主張している。オーソドックスな銘柄で富士急行(9010)、ローム(6963)、高島屋(8233)などに注目できる。
10月18日(土)にラジオNIKKEI & プロネクサス共催 企業IR&個人投資家応援イベントin東京を開催します。会場はコンファレンススクエアエムプラスになります。
筆者(杉村富生)の登壇時間は16時25分~17時25分です。入場は無料、ぜひご参加を。2025年後半の相場展望、および活躍期待セクターについて解説します。