需給面を無視?レーティング情報の怪!

杉村富生 兜町ワールド

レーティング情報はときに、ファンダメンタルズ偏重というか、需給を無視した内容になるケースがある。いや、社内事情を考慮している、といった方が正解か。住友ファーマ(4506)を大和証券が格付け(投資判断)を強気の「2」とし、目標株価を「1200円」に設定した。株価は1000円を超えている。

しかし、他社はそろって弱気だ。UBSは「Sell」とし、目標株価は「430円」、JPモルガンは「Neutral」とし、目標株価は「600円」、モルガン・スタンレーMUFGは「アンダーウェイト」とし、目標株価は「550円」である。時価との大きなカイリをどう説明するのだろうか。

実は、この銘柄はバークレイズ、野村インターナショナル、ゴールドマンなどが貸株を使って、大量にカラ売りしている。日証金ベースではない。大半がヘッジファンドの用だろう。レーティングが「大口投資家におもねっている」とは思いたくないが、アナリストが多少なりと影響を受けているのは確かだろう。

全般相場については613日のSQまでは株価を維持していたようだ。日経平均株価の38000円台である。しかし、オプションの売り方は今回も全滅に近い状況になった。オプションの売りは怖い。売り口銭を狙って、大損するパターンだ。47日の株価暴落は投機筋の仕掛けによるものだったじゃないか。

今回は中東情勢の緊迫化と円高圧力が重なっている。やはり、基本は個別物色だろう。強い銘柄の視点ではシンフォニアテクノロジー(6507)、味の素(2802)、関電工(1942)、ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)、ホーチキ(6745)、全国保証(7164)などに注目できる。

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