5キロ2000円は消費者にはありがたいが…?(2)

杉村富生 兜町ワールド

政府与党は「73日公示の参院選さえ乗り切れば…」と考えているようだが、そんなにうまく行くかどうか。国民は甘くない。消費税の減税論争とレベルは一緒ではないか。まあ、消費者だけに限定すると、コメの値段が安いのは歓迎だ。ただし、友人・知人の実家は多くが米を生産している。就農意欲は衰える、と思う。

コメの値段が下がるのは消費者にはありがたい話である。しかし、生産者にはきつい。日本の農業従事者は零細だし、高齢化が進んでいる。地方出身の友人が「うちの実家は細々と米を作っている。母は86歳だ。もう、無理」とぼやいているらしい。筆者の親戚も似たような状況である。

前農林水産大臣じゃないが、「コメをもらえなくなる」と。まあ、ここは「5キロ2000円」のお米(古古米、ないしは古古古米→規格外のお米が含まれる)を買おうではないか。もっとも、近くの業務スーパーは今回の放出に参加していない。お米屋さんも多くが対象外となっている。

株式市場では米穀卸の木徳神糧(2700)、ヤマタネ(9305)が好業績を背景に人気を集めていた。さらに、農業関連の井関農機(6310)、クボタ(6326)、日本農薬(4997)、クミアイ化学工業(4996)などがにぎわっていたが、今後は状況が変わってくるだろう。特に、卸業者は値下がり→評価損が発生する恐れがある。

株式市場では相変わらず、小型材料株がフィーバーを演じているが、これは怖い。エスクリ(2196)、ぷらっとホーム(6836)、イオレ(2334)、メタプラネット(3350)、ジーエヌアイグループ(2160)などがそうだ。今年の干支は巳(ヘビ)、「ヘビは足がなくても木に登る」、という。材料はどうでも良いらしい。値動きこそ、命である、といった状況か。

6月21日(土曜)にラジオNIKKEI&プロネクサス共催企業IR&個人投資家応援イベントin熊本のイベントを開催します。会場はTKP熊本カンファレンスセンターになります。

筆者(杉村富生)の登壇時間は1540分~1640分です。入場は無料、ぜひご参加を。

2025年の相場展望、および活躍期待セクターについて解説します。ttps://www.radionikkei.jp/irevent/250621kumamoto.html

目次