国内生保10社の2025年度(25年4月~26年3月)の資産運用計画をみると、債券では長期金利(10年物国債利回り)は1.5%を超えるとの前提に、国内債券投資を控える機関が多い。主力は30年物(超長期債)中心になっている。ただ、超長期債は基本的に買い手不足なのには変わりがない。金利は上昇するだろう。
外国債券についてはヘッジ付きを増加させる。ヘッジ付きソブリン債はコスト高止まりのため、これを理由に残高を減らす機関は少数派だ。やはり、トランプ政権の圧力による円高シフトを警戒している、と思う。とはいえ、10年物国債利回りの4.5%前後(アメリカ国債)は魅力である。
株式投資については日本株のウェイトを落とし、外国株を増やす方針を明らかにしている。持ち合い解消売りなどの需給要因に加え、トランプ関税などのリスクを承知していることによるものであろうか。筆者はフジクラ(5803)、SCSK(9719)、アドバンテスト(6857)などに注目している。
反面、各機関ともプライベートデットファンド(非上場会社に対し、資金を貸し出し、利息収入を得るファンド)、プライベートエクイティファンド(未上場の株式に投資するファンド)、さらには証券化商品、不動産、コモディティ、デリバティブ(金融派生商品)などオルタナティブ分野に注力する姿勢を示している。
国際マネーは「脱アメリカ」の姿勢が鮮明となっている。大手生保のリスク分散の気持ちは分かるが、世界的には欧州、アジア(日本が軸)の株式市場が注目されている。外国人は強気である。エヌビディア(NVDA)は好人気だが…。
6月13日(金曜)に日本証券新聞社主催 長野證券協賛の株式講演会を開催します。会場は長野市芸術館、筆者(杉村富生)の登壇は15:00~16:00です。
演題は『トランプ独裁政権の暴走に備えよ!』になります。入場は無料、ぜひご参加を。https://www.nsjournal.jp/seminar/20260613nagano/