佳境の決算発表!決算プレイが展開される!(下)

杉村富生 兜町ワールド

このほか、好業績銘柄では正興電機製作所(6653)、アマノ(6436)、菱友システムズ(4685)、グローバルセキュリティエキスパート(4417)などに注目できる。菱友システムズは三菱重工業(7011)が筆頭株主だ。軍需用のシステム構築に強い。防衛予算のうち、スタンド・オフ作戦に絡む予算は激増中だ。このメリットをフルに享受する。 

スタンド・オフとは兵士が前線に立たない作戦(戦闘形態)のこと。現在、進行中の防衛力整備5ヶ年計画ではミサイル迎撃、ドローン、無人機、サイバー防御などの予算が5兆円計上されている。前5ヶ年計画ではわずか2000億円だった。この関連では日本アビオニクス(6946)、三菱電機(6503)、NEC(6701)などが潤うだろう。

一方、3月期、および13月期(四半期)の決算発表が佳境を迎えている。プライム市場についてみると、58日が87社、9日が181社、12日が124社、13日が193社、14日が159社、15日が139社といった具合だ。トランプ関税の行方が流動的なだけに、トヨタ自動車(7203)のように、慎重な見通しを示す企業が増えるだろう。

円高圧力も消えていないようだ。アメリカはイギリスとの関税交渉を決着させたが、日本とは短期的に合意に達するのは難しい。焦点は自動車に加え、農産物の市場開放だ。さらに、航空機部品の課税強化を持ち出してきた。日本を標的(同盟国にはつらく当たる)にしているのではないか。

農産物交渉は難航するだろう。7月には参議院選挙(3日に公示)が控えている。ポイントは321人区だが、これはすべて農業県だ。安易な妥協は命取り(自民党惨敗?)になろう。消費税の減税(食料品をゼロに)については会計処理に加え、財源がない。やはり、当面は個別物色の投資戦術が有効だろう。

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