中国資本が日本企業を狙う理由?

杉村富生 兜町ワールド

日米関税交渉では話題になっていないが、アメリカの狙いは緩やかな円高だろう。12年かけての1ドル=130円がらみの水準を目指すのであれば輸出企業は十分に吸収できる。一方、物価は安定する。いまや、日本人は25%が年金生活者だ。インフレに悩まされているだけに、この人達にはメリットがあろう。

株式市場はどうか。外国人にとっては円高・株高のパターンになる。国際マネーは「脱アメリカ」の姿勢を鮮明にしている。トランプ大統領が在職中はこの流れは変わらない。現状は金融緩和(ECB6回連続での利下げ)、財政出動のEUに向かっているが、こぼれ玉は日本に飛んでくるだろう。すでに、その動きはみられる。

5月34にはバークシャー・ハサウェイ(BRK-A)がネブラスカ州オマハにおいて、恒例の株主総会を開催する。全世界の投資家4万人が集まる。ウォーレン・バフェット氏がどんな投資方針を打ち出すか、興味は尽きない。なにしろ、昨年夏~秋にはアップル(AAPL)を売りまくり、約50兆円の現金を積み上げている。

同時に、後継CEOに指名されているグレッグ・アベル氏のコメントが注目される。このほか、投資担当の幹部にはテッド・ウェシュラー氏、トッド・コームズ氏などがいる。保険会社が収益の柱だ。この2名はバークシャー・ハサウェイのポートフォリオの一部を管理している、という。

中国資本が日本企業を次々に買収している。倉元製作所(5216)、AIストーム(3719)などがそうだ。ラオックスホールディングス(8202)は先輩だ。トランプ政権はアメリカ市場に上昇している中国企業(186社、時価総額1.1兆ドル)を締め出そうとしている。このため、日本市場に注力しているのだろうか。

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