なにしろ、アメリカ市場には186社の中国企業が上場、その時価総額は1.1兆ドル(約150兆円)に達する。その株式の多くをアメリカ人、および世界中の投資家が持っている。上場廃止になると、衝撃が大きい。これは関税交渉のディール(取引材料)だと思う。しかし、トランプ政権は「何でもあり」である。
いずれにせよ、トランプ政権の政策がコロコロ変わることが不確実性を高めている、といえないか。1650兆円の運用資産を持つブラックロック(BLK)の基本戦術は「脱アメリカ」である。幸いなことに、パウエルFRB議長の「解任騒動」はしばしの“休戦”だ。株安に脅えたのだろう。
nmsホールディングス(2162)の2025年3月期の1株利益は67.6円(前期は47.4円)となる。業界トップのワールドホールディングス(2429)が筆頭株主になった意味は大きい。時価のPERは9.15倍と出遅れている。株主優遇には前向きだ。2025年3月期の配当は7円増の14円とする。
さらに、円高のメリットを受けるのは海外旅行関連のエイチ・アイ・エス(9603)、内需関連のゼンショーホールディングス(7550)、THEグローバル社(3271)、大林組(1802)など。そろって好業績だ。エイチ・アイ・エスは日本人の海外旅行ビジネスを手掛けている。円高は海外旅行ムードを高める。じり高となろう。
全般相場はトランプ大統領の言動に一喜一憂しているが、乱高下に付き合わされてはたまらない。どうせ日経平均株価の上値は限定される。基本は突っ込み買いの吹き値売りだ。アメリカ情報など気にしない方が良い(日光の三猿スタイル→見ざる、聞かざる、言わざる)のではないか。
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『保存版 株式投資「勝ち方」の本質』からの転載記事の連載が始まっています。
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