銘柄発掘のノウハウ?有効な投資家の声!(下)

杉村富生 兜町ワールド

次はマテリアルグループ(156A)だ。PRコンサルティングをメインビジネスとする。業績は好調に推移している。20258月期の1株利益は68円、配当は26円を計画している。20268月期の1株利益は77円となろう。12円(20248月期は25円強)の増配が期待できる。

しかし、株価はまったくさえない。20243月に、グロース市場に上場したのだが、公募価格(1180円)のほぼ半値水準に放置されている。時価のPERは9.46倍にすぎず、配当利回りは4.2%と高い。この水準ではインカムゲイン、キャピタルゲインの両方が狙える銘柄である。

だが、上昇する気配はない。なぜか。IR(投資家や株主向け広報活動)が「皆無」である。電話しても「担当者不在」と言われるし、たまに在席すると、「メールにしてくれ」と素っ気ない。こりゃ~ダメだッ。

投資家の人に、「PR会社なのに、自社のPRはからっきしですね」と言われた。まあ、分かる。新日本科学(2395)は業績の急浮上(20263月期)を手掛かりに、IR活動を活発化させる方針という。投資するのはこっちじゃないか。

ロココ(5868)も苦戦中だ。講演会では「いつになったら上がるんだッ」と厳しい声が寄せられる。昨年312日には1488円の高値があったが、時価は高値水準の半値である。IoT、顔認証、クラウドソリューション分野などが伸び、業績には不安がない。急成長を続けているサービスナウ(NOW)の1級代理店である。

しかし、株価的にはその強みを生かしきれていない。社名には「誠心誠意」の“心”がこめられているというが、ココロが抜けている。やはり、IRがヘタだ。ただ、こんな銘柄(失礼?)だって、注目する投資家は存在する。実際、下位はコツコツと拾っている形跡がある。タイミングを考えると、「そろそろ」ではないか。

(杉村富生の兜町ワールドは経済や株式情報の解説を分かりやすく行なっています)

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