なぜ、日本はこんなに貧乏になってしまったのか?(5)

杉村富生 兜町ワールド

最近はアクティビストが暗躍している。日本市場のスケールが相対的に小さくなってしまった結果、資金力を有する彼らが大量に買うケースがある。買い占め(企業買収)に近い。カナダの石油業者のセブン&アイ・ホールディングス(3382)の買収劇(7兆~8兆円の資金を用意)が好例だろう。

アメリカのマサチューセッツ工科大学は植田日銀総裁、バーナンキ前FRB議長などが卒業した名門大学だ。学費は年間900万円らしい。生活費もいる。普通の外国人は払えない。米国人だって大変だろう。そこで、内外の学生に対し、2025年秋以降、出身世帯の年収が20万ドル以下の学生は学費を免除する、という。

なにしろ、年収が3100万円以下だ。ほとんどの日本人は対象者になるのではないか。年収10万ドル(1500万円)以下の世帯出身者は学費はもとより、住居費、食費、教科書代を全般補助、小遣いを支給するらしい。いや~、太っ腹である。いや、ここに日米の所得格差(日本人はみんな貧乏?)を感じるのは筆者だけだろうか。

実はいま、マサチューセッツ工科大学の学長(女性)が来日している。彼女は「志をもち 豊かな若者よ、アメリカに来たれ」と呼び掛けている。将来の技術者、学生を取り込む作戦だ。いや~、スポーツ界だけではない。優秀な人材がアメリカに行ってしまう。これは国家としてもっと真剣に考えるべきではないか。

アメリカはますます強くなる。さあ、どうする?ここは青山財産ネットワークス(8929)、SMN(6185)、トゥエンティーフォーセブン(7074)の買いを提唱している。ともに、思惑材料がある。玉を集めている形跡がみられる。年末相場は波乱含みなだけに、買い手が存在する銘柄にターゲットを絞り込むのが良策と判断する。

ともあれ、資産を増やすには投資しかない。筆者は講演会を通じ、全国各地の投資家の皆さんに会う機会がある。最近は「株長者」が続出している。皆さん、エヌビディア(NVDA)の儲けが大きい。日本株だって負けていない。レーザーテック(6920)の利益はすさまじかった。一段と、2025年は株式投資のが膨らむだろう。

(杉村富生の兜町ワールドは経済や株式情報の解説を分かりやすく行なっています)

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