市場関係者は株価急落の背景について、「トランプ関税がどうの、こうの」と騒いでいる。まあ、間違いではない。この影響が大きいと思う。ただ、3月31日の相場(日経平均株価は瞬間3万5574円の安値まで売られ、3月11のザラバ安値3万5987円を下回る)についていえば特殊な需給要因によるものだろう。
すなわち、関税うんぬんはあと講釈にすぎない。3月決算期末とあって、機関投資家など実需筋は動けず、自社株買い(3月末の5営業日は自粛期間)は実質“禁止”だ。そこを投機筋が売りたたいた。ヘッジファンドの救済策との声もある。
もちろん、日経平均株価の定期入れ替え(4月1日)を受け、採用のベイカレント・コンサルティング(6532)、除外の三菱倉庫(9301)のリバランスがあった。このタイミングは投機筋には仕掛けのチャンスとなる。
さらに、ファーストリテイリング(9983)の日経平均株価に対する構成ウエイトが高すぎる(11%)のため、これを引き下げる、との情報が流れた。この是正にはファーストリテイリングに810万株の売り需要が発生する、という。商いの少ない銘柄だけに、この吸収は難しい。そんなことで株価が急落したのだ。そう、特殊要因である。
ジョージ・ソロス氏は相場にはサイクル、株価にはリズムがあると主張している。彼が唱える株価モデルは初期→加速→試練→確立→誇張→黄昏→逆転→崩落の8段階である。投資は青年期、壮年期に参入するに限る。間違っても黄昏のタイミングは絶対にダメだ。ここは見切り売りである。逆行高のシンクロ・フード(3963)は買える。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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