なぜ、日本はこんなに貧乏になってしまったのか?(1)

杉村富生 兜町ワールド

最近、日本人はすっかり貧乏になったものだ、とつくづく思う。日本国もそうだ。アメリカ市場の時価総額は9641兆円だが、東証プライム市場(1644社上場)の時価総額は953兆円にすぎない。マグニフィセント・セブン(時価総額上位7社)の2652兆円に負けている。

いや、アップル(AAPL)、エヌビディア(NVDA2社の1085兆円よりも少ない。ちなみに、7人のサムライ(日本市場の時価総額上位7社)は153兆円にとどまっている。トップのトヨタ自動車(7203)は41兆円、テスラ(TSLA)の168兆円の4分の1だ。日米の格差は拡大の一途である。

まあ、ここ数年、世界の株式市場ではアメリカの「1人勝ち」だったことはあろう。この先はどうか。トランプ次期政権は「アメリカン・ファースト」の精神を貫き、明確な「成長路線」を打ち出している。マスコミはネガティブな面だけを強調するが、アメリカにつれて日本も潤うと思う。

アメリカは暗号資産、、AI(人口知能)、宇宙開発、自動運転(無人タクシー)、バイオテクノロジー、人型ロボットなどの分野ではディファクト・スタンダードの獲得を目指している。この分野では日本勢は活躍できる。

すなわち、事実上の国際標準の確立を狙う。世界覇権である。トランプ次期政権は減税&関税を武器に成長を遂げようとしているが、決してそれだけではない。最先端技術の育成・強化方針がある。R&D(研究開発投資)減税を行う。バラまきと増税路線のどこかの国とは大違いである。政治の迷走は国を危うくする。

なお、20243月期の家計金融資産は日本が2199兆円なのに対し、アメリカは122.5兆ドル(約18620兆円)だ。なぜ、こんなに差が開いてしまったのか。とりあえず、ここは配当利回り6.1%のTHEグローバル社(3271)、同4.5%のタスキホールディングス(166A)を買っておこうじゃないか。

(杉村富生の兜町ワールドは経済や株式情報の解説を分かりやすく行なっています)

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