トランプ2次政権はなんだ、かんだといわれているが、米証券取引委員会(SEC)次期委員長にポール・アトキンス氏を起用するなど、閣僚人選に哲学が感じられる。すなわち、彼は暗号資産(仮想通貨)推進論者だ。「イノベーションがアメリカを強くする」との考えはトランプ氏に通じる。
NASA長官に就任予定のジャレッド·アイザックマン氏はテスラ(TSLA)のイーロン・マスク氏のスペースXに搭乗、民間人だけの地球周回飛行を行った経験を持っている。イーロン・マスク氏は無人タクシー・自動運転などともに宇宙開発(火星有人飛行)を推し進めているが、一連の人事はこの流れだろう。
トランプ次期政権の産業政策の“核”(目玉)は暗号資産(仮想通貨)に加え、人型ロボット、宇宙開発、自動運転(無人タクシー)の普及になろう。このためには規制緩和が不可欠だ。イーロン・マスク氏がトランプ氏に接近(大統領選挙でのなり振り構わぬ応援→資金180億円を投入)の狙いはここにあった、と思う。
もちろん、トランプ次期大統領は1981年就任のレーガン大統領の「偉大なアメリカの再構築戦略」を支えた5つの潮流を意識している。そのひとつがAI(人工知能)をはじめとするディファクトスタンダード(事実上の国際標準)の獲得だろう。当然、暗号資産、無人タクシーの覇権を目論んでいる。
無人タクシー、自動運転ではトヨタ自動車(7203)がNTT(9432)と提携、GPSを使った通信システムの改発を進めている。日立製作所(6501)はAIを駆使し、車載システムの異常を検知する技術を確立しつつある。IMV(7760)は車載部品の試験機だ。日本勢はそれなりに、トランプ次期政権の政策の恩恵を享受できるだろう。
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