出来高(売買代金)は株価に先行する!(2)

杉村富生 兜町ワールド

JX金属(5016)の初値は843円だった。売り出し価格(820円)比2.8%高となる。穏やかなスタートである。324日には1040円まで買われた。大成功だ。キオクシアホールディングス(285A)の場合、公募価格・売り出し株数の約4割を外国人が持っていった、という。これだ、このことよ、と言いたい。需給は良好だったのである。

JX金属は外国人が取得したのは公開株式数の34.5%だ。多くの投資家がこの点を見落としている。約2億株だった。アメリカのアリゾナには新工場を建設中である。TSMC(台湾積体電路製造)がアメリカ工場を建設中の地域内だ。これは何かある。恐らく、呼ばれたのだろう。

このほか、売買代金ランキング上位には三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などが顔を出している。日銀は今回、利上げを見送ったが、長期金利はジリジリと上昇中だ。事業環境は着実に好転をみせている。

人材派遣、請負のnmsホールディングス(2162)の主力ユーザーはパナソニック ホールディングス(6752)、ソニーグループ(6758)だ。絶好調組である。ソニーグループは熊本県に半導体、センサー工場を建設している。人手は必要だ。福岡本社のワールドホールディングス(2429)の出資の狙いはここにあろう。

nmsホールディングスの業績は好調だ。20253月期は3.5%増収、42.5%増益と予想されている。1株利益は67.6円(前期は47.4円)となる。配当は7円増の14円とする。20263月期の1株利益は70円を超えるだろう。しかし、株価は530円がらみの水準である。PERは9.7倍だ。出来高は着実に増えている。

ラジオNIKKEIの投資情報番組「ザ・マネー〜水曜日 視界良好!杉村商店」は毎週水曜1430分から生放送。オンエア後はラジコタイムフリーで配信!パーソナリティは経済評論家・杉村富生です。どうぞお楽しみください!https://www.radionikkei.jp/themoney/

目次