要するに、過剰貯蓄と過剰生産の投資先、販売先を海外に求める。これこそが帝国主義である。政治系体は関係ない。中国は太陽光パネル、半導体、鉄鋼、EV(電気自動車)、家電、造船など圧倒的な世界シェアを有し、輸出攻勢を続け、他国企業を壊滅的な状況に追い込んでいる。それを阻止するのがトランプ政権だろう。
メディア、マスコミの認識は間違っている。ロシア(プーチン大統領)との融和政策は中ロ分断を目論んだものだ。他国への執拗な攻撃は取引材料だ。実際、EUは125兆円規模の防衛予算を決定したし、ドイツは憲法を改正し財政出動を行う。防衛費、安全保障費用を債務ブレーキの枠外とする。
日経平均株価は3万6000円割れの水準が下値のメドになっている。11日には瞬間、3万5987円まで下げた。この局面では打たれ強くなった東京電力ホールディングス(9501)、富士急行(9010)、国際計測器(7722)、住友化学(4005)、逆行高の海帆(3133)、THEグローバル社(3271)などに引き続いて注目できる。
マーケットは大揺れである。世界最強の金融、経済、軍事大国のトップが交代したのだ。市場環境が変わるのは当然だろう。トランプ大統領、効率化省のイーロンマスク、ベッセント財務長官などくせ者ぞろいである。従来の感覚(認識)は通用しない。ボラティリティは極端に高くなる。さらに、売り方と買い方のせめぎ合いである。
まして、日本は3月決算期末だ。法人筋の売りが出る。さらに、1ドル=146円前後の円高だ。当局はトランプ政権の圧力を為替(円高シフト)で乗り切ろうとしているようだが、これはダメージが大きすぎる。10年物国債利回り(長期金利)は1.5%を超えてきた。機関投資家の債券損が一段と膨らむだろう。
ラジオNIKKEIの投資情報番組「ザ・マネー〜水曜日 視界良好!杉村商店」は毎週水曜14時30分から生放送。オンエア後はラジコタイムフリーで配信!パーソナリティは経済評論家・杉村富生です。どうぞお楽しみください!https://www.radionikkei.jp/themoney/