トランプ次期政権の通商(関税)政策に加え、為替は円高傾向(先週には1ドル=149円台に)である。まさか、円キャリートレードを巻き込んでの8月5日の1ドル=141円70銭、9月10日の139円58銭のような事態は想定しづらいものの、トレンドとしての円高には警戒を要する。
17~19日の日銀金融政策決定会合での今年2回目の利上げ(0.25%)は既定路線となっている。一方、17~18日のFOMCでの利下げの確率は現時点では「5分5分」とみられている。10年物国債利回りは低下が著しい。財政規制派のスコット・ベセント氏(財務長官に就任予定)効果だろう。
彼はヘッジファンドのキー・スクエア・グループを率いている。減税、関税などの財政政策を軸に、経済成長を唱えている。財政赤字については「2028年までにGDPの3%」に縮小するように、トランプ氏に進言している。まあ、マーケット(アメリカ市場)にはフレンドリーな人物である。
ただ、今回の円高はすぐに治まるだろう。師走を迎え、輸入企業のドル手当に加え、NISAのボーナス時期の外貨資産投資(通常月の約3倍)が入る。問題はトランプ政権発足後のドル安政策にある。アメリカ政府は貿易赤字を削減するために、関税とドル安(輸出振興)政策を組み合わせる、と思う。
当面、自動車セクターなどは手掛けにくい。半導体関連セクターは強いが…。トランプ政権は対中貿易規制(半導体・および製造装置)策を発動するだろう。だからこそ、この局面は画期的なペロブスカイト太陽光発電などのテーマ銘柄を攻めたい。実際、実用化で先行する積水化学工業(4204)は抜群に強いではないか。
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