トランプ氏に振り回される株式市場!(下)

杉村富生 兜町ワールド

早や、12月である。日経平均株価は711日に、42426円と34年ぶりの高値をつけたものの、85日には31156円の安値まで急落した。日銀の金融政策の変更(利上げ、量的金融引き締め)に脅えたのだ。ちなみに、ドル・円は85日に14170銭、910日には13958銭の円高を示現している。

その後、為替は1115日に、1ドル=15675銭の円安に振れた。円安になるにつれて、日経平均株価は1015日に40257円まで上昇するなど順調な戻り相場を演じたが、ここにきて動きの重い展開になっている。チャート的には39000円が上値のカベだ。NYダウに比べると、情けない話じゃないか。

やはり、マーケットはトランプ次期政権の政策に身構え、脅えている、と思う。なにしろ、実質同体の友好国のカナダにさえ、輸入品に25%の関税に課す、と言い出す人物である。同盟国の日本だって、うかうかできない。彼にとっては国際法などあってなきがごとしだ。「トリプルレッド」である。

まさに、やりたい放題ができる。こんな状況下、年末年始はもとより、このままでは2025年相場は期待を裏切る展開となろう。為替は1ドル=149円台に振れている。日銀の利上げを織り込み始めている。

ただ、日本の場合、2016年(第1次トランプ政権)時点と現在とではアメリカの地域別輸入比率が落ちている。すなわち、5.9%.7%だ。実は中国も同じ傾向がみられる。21.0%13.4%である。もちろん、これはメキシコ(13.3%15.4%)経由によるシェア低下、との見方がある。新値追いの積水化学工業(4204)は狙える。

12月5(木曜)に日本証券新聞社主催、大山日ノ丸証券協賛の株式講演会を開催します。会場はとりぎん文化会館です。IR企業はスターティアホールディングス(3393)、あらた(2733)です。筆者(杉村富生)の登壇は15301630です。演題は「2025年相場の展望&投資戦術を探る!」になります。https://www.nsjournal.jp/seminar/20241205tottori/

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