当面は各論(銘柄)勝負!波乱はチャンス!(1)

杉村富生 兜町ワールド

バークシャー・ハサウェイ(BRK-A)のウォーレン・バフェット氏は(AAPL)の株式を大量に売った。何と、現金残が「49兆円」に膨らんでいる、という。スケールがでかい。日本株では5大商社株を保有している。発行株式数の「10%が上限」としていたが、最近は「その水準を超えて保有するつもり」に変えた。好材料である。

三菱商事(8058)のPBRは1.09倍、配当利回りは4.2%前後、住友商事(8053)のPBRは0.95倍、配当利回りは4.0%前後だ。丸紅(8002)のPBRは1.18倍、配当利回りは4.2%がらみと高い。この局面では3月期末の配当取り、および短期のディーリングに最適ではないか。

当面、4月初旬までは個別物色の色彩が強くなる(インデックスはもみ合いに終始するだろう)と予測している。典型的な節分天井、彼岸底のパターンだ。特に、今年は3月末にかけて例年以上に機関投資家、法人の売りが出る、と思う。この背景にはドル債、日本国債での含み損の発生がある。

さらに、トランプ政権の外交・通商政策は不透明だ。円高圧力は輸出関連企業の収益を圧迫する。関税交渉は日本だけではなく、メキシコ対アメリカが重要である。メキシコには関税ゼロを手が掛かりに、多くの日本企業が進出、対米輸出の拠点にしている。交渉結果次第では海外戦略の見直しを余儀なくされるだろう。

持ち合い解消の売りは加速する、と思う。東証改革の一環だ。PBR1倍割れの企業は資本効率の改善を求められている。これはアクティビストが介入している銘柄と合致する。具体的には住友金属鉱山(5713)、野村ホールディングス(8604)、日本製鉄(5401)、日産自動車(7201)、三菱ケミカルグループ(4188)などになる。

2024年1029日(火)に『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載が始まっています。

コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は毎週火曜日になります。

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