全般相場はもみ合いだが、個別物色意欲は旺盛!

杉村富生 兜町ワールド

株式市場は狭いレンジでの小動き(もみ合い)に終始している。方向感が乏しい。やはり、トランプ政権の外交・通商政策に振り回されているのだろう。とりあえず、第1弾は関税だ。しかし、そもそも欧州各国に比べ関税、および付加価値税率(消費税率)の低い日本は有利ではないか。

トランプ大統領は「消費税など付加価値税は輸入関税と見なす」と発言している。これを相互関税の基本とする方針だ。欧米は2025%だ。それに、貿易黒字額(アメリカにとっては貿易赤字)は中国が断トツに大きい。次がメキシコ、そしてカナダ(この2ヵ国の輸出に占めるアメリカの比率は78割)である。

4番手はベトナム、次はドイツだ。日本は6番手である。現地生産が効いている。対米黒字額は中国の5分の1にすぎない。関税は日本もターゲットになっているが、影響は軽微にとどまるだろう。問題はこんにゃく、生肉など一部の農産物だ。これは標的になる可能性があろう。

為替については3月決算期末を控え、実需筋の資金還流に伴う季節的なドル売り・円買いの動きが起こっている。もちろん、日米金融当局の政策の違い(FRBは利下げ、日銀は利上げ)がある。ただ、ここでの円高圧力は主に需給要因だろう。これは早晩、収まる。

それに、個別物色機運は極めて旺盛だ。大出直りの精工技研(6834)はデータセンター関連の切り口がある。同様に、ローム(6963)も往年の超優良株だ。セルソース(4880)の天井は高い。好業績の、アドベンチャー(6030)、eWeLL(5038)、は異彩高をみせている。ウッドワン(7898)は大出直りの構え。

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