ヘッジファンドは買って儲け、売って儲ける。そして、主戦場はアメリカだ。そのメカニズムを知ることが勝利の方程式の第一歩だろう。反面、アクティビストは割安、かつやりたい放題が可能な日本市場をターゲットにしている。ダルトン・インベストメンツ、エフィッシモ・キャピタル・マネージメンなどの運用残高は激増している。
さて、この世界(相場解析、株価分析など)に入って、50年超になる。良くやってこられた。半世紀である。いや~、思えば遠くに来たものだ、と思う。筆者が学び、生きるよりどころとしてきたのは効率的市場仮説だ。これは、市場は効率的であり、株価は正しい(すべての情報を反映している)、との考え方である。
しかし、最近はちょっと違うのではないか、と感じている。株価が常に正しく、正直なのであれば苦労はしない。株価はときに、理不尽な値動きをする。ジョージ・ソロス氏の「再帰性理論」は株価には常に、歪み(誤った認識によって形成されている)が存在する、と指摘している。たとえば、住友化学(4005)は売られすぎじゃないか。
まあ、ソロス氏は哲学者を目指していた、といわれるだけに、彼の論理は可謬(かびゅう)主義である。分かりづらい?いや、理解不能だ。具体的には嘘つきの男が「私は嘘つきだ」と述べた。この男は嘘つきだろうか。いや、正直者である。では、「私は正直者だ」と主張したら、これは間違っている。この話は永遠に続くだろう。
ただ、筆者が投資家の皆さんに言っているのはソロス氏が「再帰性理論」によって成功し、スコット・ベッセント財務長官はその信奉者ということだ。これは無視できない。いわゆる、ヘッジファンドの大物が超大国アメリカの財務長官になった。彼ら(トランプ大統領を含めて)は株安を望んではいない、と思う。しかし、乱高下はさせる。
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