1ドル=151円前後の円高は物色の流れを変える!

杉村富生 兜町ワールド

円高である。1ドル=151円そこそこの水準になっている。FEBの利下げが遅れている反面、日銀は利上げ姿勢を崩していない。トランプ大統領の「円安けん制」発言もあろう。ここでの円高はハイテクセンターにはダメージとなる。当然、物色の方向は変わる。DeepSeekショックはきっかけにすぎない。株価は調整を欲しがっている。

悪い予測は当たる。社会インフラの劣化はかねて言われてきたこと。埼玉県八潮市の道路陥没事故の原因は下水道管の破損によるもの。埼玉県東部地域では住民120万人に影響が出ている。現在は「風呂、洗濯の自粛要請」にとどまっているが、修復作業は難航し、このままでは二次災害のリスクが高まるだろう。

政府、行政の対応は遅い。まず、漏水を止めるべきではないか。やっと、自衛隊が来た。このような惨事は全国のどこの都市でも起こり得る。日本の上下水道の社会資本ストック(再取得価格ベース)は130兆円に達する。耐震化も急務だろう。政府予算は60億円にすぎない。政府は各自治体に任せっぱなしである。

しかし、各市町村とも社会インフラ関連の予算が乏しい。八潮市のトラブルは氷山の一角だと思う。もっとも、地下10メートル(都心部では地下鉄とか、構造物があって、地下4050メートルのケースがある)の下水管の直径は4.75メートルという。漏水を止めるのは短時間には困難だろう。

だからこそ、上下水道関連のクボタ(6326)、積水化学工業(4204)、前澤化成工業(7925)、水関連コンサルタントのNJS(2325)、日水コン(216A)、水処理プラントの三機工業(1961)などの出番となろう。物色のメーンは中・長期的には内需関連セクターにシフトしつつある。東京電力ホールディングス(9501)は買える。

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