7月相場は想定以上の波乱商状に陥っている。この背景には1~6月に急騰(日経平均株価は昨年末の5万0339円が6月22日には瞬間、7万2831円と、44.7%上昇)した反動に加え、トランプ関税騒動(日本に対しては12.5%)の再燃、イラン戦争のドロ沼化(話が違う)などの要因があろう。
さらに、昨年来の主役(AI・半導体、データセンター)が一転、悪役に転じた。急落である。これがインデックスを下押しするとともに、地合いを悪化させている。その代表はキオクシアホールディングス(285A)だ。6月22日には11万2700円の高値まで買われ、東京市場の時価総額トップ(59.5兆円)に踊り出た。26年ぶりの快挙である。
なにしろ、時価総額トップはトヨタ自動車(7203)の“指定席”だったのだ。マーケット関係者は「これぞッ時代の流れ」と称賛した。しかし、その直後に株価は暴落する。7月28日には4万4550円の安値まで売り込まれた。わずか1ヶ月ちょっとの間に、下落率は何と、60.5%となった。ひどすぎる。
ちなみに、上場直後の2024年12月18日には1440円の安値があった。直近の高値はこの安値比162倍になる。今回の暴落によって、時価総額は35兆円が吹っ飛んだ。まあ、株価は上に、下に「いきすぎる」ことは承知している。下値のメドは4万3000円になる。しかし、それにしてもひどすぎないか。
これについては先週の当コラム(1~4回)に触れているが、これは複合暴落だろう。5年先の悪材料(中国の最先端半導体の輸出攻勢)まで株価に織り込まれた結果、と判断できる。この局面での投資作戦・戦術は三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの銀行株、元気な富士急行(9010)などを攻める戦術が有効と思う。
2024年10月29日(火)から『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載中!
コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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