株高を支援するこれだけの好材料!(下)

杉村富生 兜町ワールド

アクティビストは経営改善(ROEの向上)を求めるのがセオリーだが、不動産事業は収益性が低いのは確かである。不動産収益が4割のTBSホールディングス(9401)はやり玉に挙がっている。「テレビ会社ではない。不動産会社だ」と。結局、彼らは日本の優良不動産が欲しいだけじゃないか。

昔、1965年に山一証券が経営危機に陥ったとき、日本興業銀行出身の経営陣は保有資産を売りまくった。保有資産を売ればバランスシートは良くなる。現金が手元に残るし、借金は返せる。再建が完了したように思われた。しかし、その後の結果はどうなかったか。明白である。日産自動車(7201)の再建計画は似ている。

不動産を保有しない経営は昨今の潮流である。これをすべて否定するつもりはない。山一証券の場合、東京・日本橋にあった東京ガスの本社跡地に本社ビルを建設しようとの機運が盛り上がったことがある。だが、当時の経営陣はその計画を「ムダ」と切り捨てた。400億円程度の資金投入をためらったのである。

もちろん、本社ビルのある、なしが1997年の経営破綻につながったわけではないだろう。なお、アクティビストではないが、巨大ファンドが最近、JX金属(5016)、豊田通商(8015)などを買っている。何が狙いなのか、ちょっと理解しづらい面がある。彼らは安いところはすかさず買う。

山一証券と野村ホールディングス(8604)とはまったく異なる。現在、東京・日本橋に三井不動産(8801)と共同で54階建ての超高層ビルを建設中だ。新宿の野村ビルを建設する際にはほとんどの役員が細かい数字を提示し、反対したという。ただ、1人の人物(会長)が「つくるんだ、つくるんだよ」と叫び、着工した、と伝えられている。

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