もちろん、過熱気味のテクニカル要因を指摘できる。チャートの形状は良くない。日経平均株価、NYダウ、ナスダック指数は目先の天井形成のパターンだ。こうなると、利食い売りが加速する。なにしろ、機関投資家の多くが運用をAI、機械に任せている。彼らには感情がない。マシンだ。下げに転じると、徹底的に売る。
もちろん、逆もある。日米欧の金融当局(日銀、FRB、ECB)はタカ派(利上げ、金融引き締め)にシフトしている。この局面において、インフレは起こり得ないが、金融当局はミスを犯すもの。特に、FRBのウォーシュ議長はこれまでの作法(前任者の政策の踏襲を継続)を破って、次々に新機軸を打ち出している。
彼はグリーンスパン議長を尊敬している人物である。グリーンスパン議長は1987年8月に就任、1ヶ月後の9月に利上げを断行した。これに合わせて当時の西ドイツがオペレーション金利を引き上げ、中東でのイランとアメリカの軍事衝突が起こった。西ドイツを日本に代えると、まったく同じである。
西ドイツの利上げに対し、当時のベーカー財務長官が猛烈に批判、これが「国際協調の破綻」と受け止められ、ブラックマンデー(10月)の引き金になった、といわれている。ウォーシュ議長はグリーンスパン議長と同じ過ちを犯そうとしている、との見方がある。ただ、異なるのは、ベッセント財務長官は日銀の利上げを歓迎していること。
それに、現状はドル高である。1987年10月はドル不安だった。現在、中東情勢は落ちついている。原油価格(WTI)は1バレル=70ドル割れだ。原油は基本的に余っている。しかし、楽観は許されない。60日間では核開発問題を解決できるか。まあ、危惧すればきりがないが…。ロボティクスのRSC(4664)に妙味があろう。
7月9日(木曜)に日本証券新聞社主催の株式講演会を開催します。
会場は大阪・朝日生命ホール、筆者(杉村富生)の登壇15:00〜16:00です。
演題は『異次元の相場にどう対応するか?』になります。
入場は無料、ぜひご参加を。

