市場参加者が少ないために、株価は乱高下する!

杉村富生 兜町ワールド

NYダウ、ナスダック指数ともに、急落である。先週末のアメリカ市場ではアドバンテスト(6857)と関係の深い巨大IT企業のブロードコム(AVGO)が売られた。「利益率が悪化する」との会社側のコメントをイヤ気したのだ。クリスマス休暇とあって、市場参加者が少ない。このため、株価は過剰に反応する。

オラクル(ORCL)はオープンAI、ソフトバンクグループ(9984)と組み、スターゲート計画(データセンターなどに75兆円を投じる)を推進中だが、このプロジェクトが「遅れるのではないか」(会社側は否定)と伝えられ、売り物を浴びた。こんな状況ではソフトバンクグループは再び、下値模索の展開となろう。

ちょっとした微妙な材料にビビるのは、平家と源氏の「富士川の合戦」(水鳥の羽音に驚き、平家が敗走)並みである。まあ、年末控えという面はあろう。投資家の多くが現金の積み増しを狙っている。昔は「株をマクラに越年を」と言われたものだが…。時代はすっかり変わってしまった、ということか。

それだけ、マーケットが神経質になっているのは急騰のあと、株価が高値圏にあるためだ。上昇途上であれば意に介しなかった、と思う。いずれにせよ、週明けの東京市場はナスダック指数の急落に引きずられ、波乱含みの展開になろう。東京エレクトロン(8035)を含めた“御三家”の急落が足を引っ張るだろう。

この局面では「都市鉱山」開発のアルコニックス(3036)、エンビプロ・ホールディングス(5698)、証券業の“雄”の 野村ホールディングス(8604)、地銀トップの横浜フィナンシャルグループ(7186)などが狙い目となる。金融業は金利正常化のメリットを受ける。もちろん、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は“本命”である。

12月23日(火曜)に日本証券新聞社主催の株式講演会を開催します。

会場は東京証券会館、筆者(杉村富生)の登壇は15001600です。

演題は『2026午年相場を展望する!』になります。入場は無料、ぜひご参加を。

https://www.nsjournal.jp/seminar/20251223tokyo/

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