師走は「餅つき」相場と称されている。きねが上下に(ペッタン、ペッタン)と動くように、乱高下を繰り返すのだ。年末に向けての利食い急ぎ、損出し(利益圧縮)の売りのほか、2026年相場を見据えた買いが入る。豆蔵デジタルホールディングス(202A)、セック(3741)などは“先遣隊”の買い物が続いている、という。
この時期、機関投資家(11~12月はヘッジファンド、年金などの決算)の多くが決算処理を終え、新春相場に備えるタイミングだが、彼らは急には行動しない。なにしろ、クリスマス休暇、そしてお正月である。しかし、個人投資家は別だ。営業体は活発に動いている。
成績の悪かったファンドマネージャーは「次の仕事探し」だ。この世界は厳しい。運用面ではAI(人工知能)が幅を効かせている。個人の力量、相場観が通用しない時代を迎えている。かつて、花形だった証券会社の自己売買部門はほとんど消えた(閉鎖→ディーラーはクビ)。運用成績があまりにも劣悪だったことによる。
さて、2026年相場については心配していない。強い相場となろう。国策は「株高」である。この点は1980年代後半の「バブルつぶし」とは根本的に違う。それに、指標的にはPERは18~19倍(1989年末は60倍)、PBRは1.67(同5倍)倍と過熱感は皆無である。
青山財産ネットワークス(8929)が急落している。特に、悪材料が出ているわけではない。2025年12月期の1~9月決算は経常利益が49.7%増の35億円、最終純益が42.8%増益の24億1100万円だった。すでに経常利益は通期予想(36億5000万円)の96%を確保済み。今期の配当は51円(前期は46円)とする。
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