「バブルつぶし」の1980年代後半とは根本的に違う!

杉村富生 兜町ワールド

よく講演会では「日米両市場はバブルじゃないか」と質問される。19881989年の十干十二支では辰巳天井である。そういえば20242025年の干支も辰巳だ。しかし、根本的に違うのは、1980年代後半は当局が「地価、株価の高騰は悪だ」と叫び、「バブルつぶし」に狂奔、突っ走っていた時代である。

矢継ぎ早にBIS規制の導入による融資規制制限に加え、土地基本法の制定、強烈な金融引き締めが行われた。これに直撃されたのが不動産仕手だ。法人(営業特金)の株式売買は大きなダメージを受けた。19891229日の日経平均株価は38915円である。

この時点のPER60倍、PBR5倍を超えていた。完全に熱狂じゃないか。それが1990年の大発会に一気に暗転する。外国人が先物を使って、売り崩しを図ったのだ。いわば、売り方は当局の支援を受けている。あっという間に、時価総額200兆~300兆円が吹っ飛んだ。これが「失われた30年」の始まりとなる。

しかし、当時の三重野廉日銀総裁は「バブル崩壊の影響は局部的、限定的であり、実体経済には何らのダメージを与えない」と。ノー天気というか、「大本営発表」を繰り返していた。愚かな話である。現状は当時とは根本的に異なる。

足元の相場ではスタンダード市場が強い。指数は新高値だ。テラプローブ(6627)、ラサ商事(3023)、ジオスター(5282)、トレードワークス(3997)、エンビプロ・ホールディングス(5698)、名村造船所(7014)、伊勢化学工業(4107)、青山財産ネットワークス(8929)、ジャパンエンジンコーポレーション(6016)などがジリ高となろう。

経済評論家 杉村富生の12月~1月前半の講演会情報を更新しました。

12月は大阪(5日)、横浜(13日)、福岡(18日)、米子(22日)、東京(23日)、

1月は名古屋(15日)、東京(22日)で開催します。

ぜひ、ご参加をしてみてはいかがでしょうか。会場でお会いしましょう。

https://e-stock.jp/lecture/

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