古来、「辰巳天井、午尻下がり」という。いやな相場格言である。どうしても1988~1989年の苦い経験を思い出してしまう。1988年は辰年、1989年は巳年だった。バブルのピークだ。日経平均株価は1989年12月29日に、3万8915円の史上最高値(当時)まで駆け上がる。
国際的には「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」(21世紀は日本の時代)ともてはやされ、企業は海外資産を買いまくっていた。地価は暴騰、「四国4県の価値はアメリカ全土に匹敵する」と豪語されたものだ。PERは60倍を超えていた。株式市場、不動産ともにバブルに酔い、踊っていた時代である。
それが一気に暗転する。当局のバブルつぶし(土地基本法の制定、BIS規制の導入に伴う融資規制、日銀の強烈な金融引き締めなど)である。当局は「株高、地下高は悪だ。インフレ心理を助長する」と叫んでいた。現在では考えられない。この点は明らかに違う。
1989年~1990年の年始年末は「次はいよいよ5万円挑戦」」とか、「10万円の大台を目指すだろう」などと景気の良い発言が相次いだ。それが何と、大発会に様相が一変した。外国人が先物を使って、売りを仕掛けてきたのだ。当局のバブルつぶしに加え、投機筋の介入である。これがバブル崩壊の始まりになる。
その後、1998~2000年にはインターネットバブルがあった。2000年2月には光通信(9435)が24万1000円、ソフトバンクグループ(9984)が19万8000円の高値をつけた。ソフトバンクグループは3年間に、100倍強になった。まさに、フィーバーである。レアメタルの三井海洋開発(6269)は異彩高となろう。
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