「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」の状況!

杉村富生 兜町ワールド

一気に、乱高下突入である。株式市場は急落、暴騰だ。FEBのタカ派(12月の利下げ見送り?)シフトの反面、エヌビディア(NVDA)は好材料だろう。日本の場合、日中関係の悪化はネガティブ材料だろう。ただ、これについては「反高市勢力」(政治家、マスコミなど)が中国側と組み、意図的に危機感をあおっている面がみられる。

もちろん、株式市場の悪材料の続出は株価が言わせている部分がある。まさに、「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」の状況だ。すなわち、ものごとにはすべて裏と表が存在する。47日に、日経平均株価が30792円のザラバ安値を形成した局面ではトランプ関税のダメージばかり強調された、と思う。

ショート筋は「ここぞッ」とばかりに、売りまくった。世界経済は「ガタガタになるぞ」と多くの投資家が脅えたのだ。当然、高関税を受け、企業収益は悪化する。株価は買えない。さらに、関税分を対米輸出業者が値上げを行えばアメリカはインフレになる、と売り方はハヤした。しかし、現実(その後の動き)はどうか。

対米輸出業者は関税分を自社負担したし、アメリカの輸入業者は値上げをためらった。収益の悪化は人員削減によって、克服しようとしたのだ。さらに、TACOトレードに加え、サナエノミクスに対する期待があって、114日には日経平均株価が52636円の高値まで急騰した。実に、70.9%の暴騰である。

まさに、表だけを見て、裏は無視した格好だ。4月安値~直近高値の上昇率をみると、個別銘柄ではフジクラ(5803)は6倍、アドバンテスト(6857)は5倍、キオクシアホールディングス(285A)は9.5倍、助川電気工業(7711)は9.1倍になった。短期的に、これだけ大幅高をすれば調整する。三井E&S(7003)は強い。

12月5日(金曜)に日本証券新聞社主催の株式講演会を開催します。

会場は大阪・朝日生命ホール、筆者(杉村富生)の登壇は15001600です。

演題は『株高の潮流に乗り遅れるな!』になります。入場は無料、ぜひご参加を。

https://www.nsjournal.jp/seminar/20251205osaka/

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