アメリカ市場は異常な強さをみせていたが、にわかに波乱の商状に陥っている。13日のNYダウは797ドル(1.65%)安、ナスダック指数は536ポイント(2.2%)安だった。連邦政府の窓口閉鎖の一部解除の動きはあったものの、12月の利下げ後退論の台頭が響いている。
しかし、それだけではないようだ。NYダウそのものに、ショート筋の「仕掛け」が入っている、との見方がある。ただし、売り崩すのは難しい。FRBはデータ不足を理由に「12月の利下げは白紙」としている。しかし、10~12月の景気は失速気味である。とりあえず、量的金融引き締めを中止する。
トランプ政権の足元は揺らいでいる。NY市長選、ニュージャージー州知事選、バージニア州知事選での「反トランプ勢力」の勝利に加え、トランプ関税に関する最高裁の判断が年内に出る。相互関税、フェンタニル関税の根拠になっている国際緊急経済権限法(IEEPA)について、「大統領の権限」を超えている、とし「違憲」となろう。
一方、トランプ政権はリゲッティ・コンピューティング(RGTI)、イオンキュー(IONQ)、Dウェイブ・クワンタム(QBTS)など量子コンピュータ企業に出資を検討するなど、「国家戦略」を着々と進めている。レアメタル採掘のリチウム・アメリカズ(LAC)、トリロジー・メタルズ(TMQ)に出資したのと同じ構図である。
戦略物資・分野は国家として取り込んでおこう、との作戦だ。日本企業ではレアメタル関連の三井E&S(7003)、三井海洋開発(6269)、量子コンピュータ関連のフィックスターズ(3687)、セック(3741)、ユビキタスAI(3858)、エヌエフホールディングス(6864)、CIJ(4826)などが該当する。
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