株式市場は大荒れである。10月16日の相場は日経平均株価が825円高の4万7672円と急騰したが、これは野党連合が成立せず、最終的に「高市首相」誕生と読んだ結果(衆院では27議席しか持たない国民民主党の玉木 雄一郎首相はあり得ない)ではないか、との読みである。
実際、16日の株式市場では情報セキュリティのグローバルセキュリティエキスパート(4417)、FFRIセキュリティ(3692)、量子コンピュータのフィックスターズ(3687)、核融合炉の助川電気工業(7711)、防衛関連の日本アビオニクス(6946)など「高市銘柄」と目される銘柄が猛反騰に転じた。この動きは継続する。
10月21日の首相選出まではこのような乱高下が展開されるのだろう。さらに、きんでん(1944)、大林組(1802)、グローリー(6457)、日本金銭機械(6418)など関西銘柄が値を飛ばした。これは2030年の大阪IR(統合型リゾート)構想を先取りする動きだろう。水面下での日本維新の会と自民党の接近(連立?)を物語っている。
ただし、すべて推測の域を出ない。政治の世界は、一寸先はヤミだ。フタを開けるまでどうなるのか、まったく予測が困難である。専門家と称する人達はいろいろと自説を述べているが、当たったためしがない。結局、10月21日以降の動き(首相選出選挙の臨時国会)次第となろう。
レアメタル関連セクターは息の長い相場になりそうだ。米中貿易戦争はレアメタルが元凶である。アメリカ市場ではリチウム・アメリカズ(LAC)、トリロジー・メタルズ(TMQ)が急騰している。日本市場では三井E&S(7003)、栗田工業(6370)、アルコニックス(3036)などに妙味があろう。
2024年10月29日(火)から『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載が始まりました。
コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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