これがリスクマネジメントである。ここ数週間、最近の相場は、今年の4月(7日に日経平均株価は3万0792円の安値まで売り込まれた)と“真逆”の動きであり、先物主導の展開と主張、「極めて危険」と唱え、「利食いを優先し、現金比率を高めておこう」と訴えてきた。実際、株式市場はにわかに波乱含みの展開となっている。
外部環境は不穏な動きを強めている。公明党の自公連立政権からの離脱、米中貿易摩擦の激化(トランプ政権は中国に100%の関税、首脳会談の見送り)などに加え、「高市首相」そのものが怪しくなってきた。高市トレードは終わったようだ。先物主導の上げは逆の下げに転じる。
10月10日の日経平均株価は4万8088円だったが、NYダウは4万5479ドルだ。単純比較だが、2500ポイントほど日経平均株価がNYダウを上回っていた。これはあり得ない。すでに、先週末の先物は2420円安の4万5200円と急落している。ほぼ同水準である。日経平均株価は先物で買いあおった反動が出るだろう。
繰り返しになるが、4月7日とは逆の現象である。筆者が恐れ、警告してきたのはこのこと。世間では「そんな弱気ではこの世界じゃ生きていけませんぜ」とか、「ひとつも下がりませんね。利食っても、利食っても、上がるばかり」と非難されていた。しかし、強いときではないと、売るのは難しい。そう、反論したのだが…。
まあ、相場とはそんなものだ。有頂天は天井に通ず、といわれる。今回もそうなったのではないか。問題はここでの投資行動だろう。ここは「嵐のときは動くな」の教えが有効だが、押し目は買いたい。「休む相場なり」の教えは承知している。データセクション(3905)、コンヴァノ(6574)、TREホールディングス(9247)は狙える。
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