100年続く?投資の時代に備える!(2)

杉村富生 兜町ワールド

さらに、アクティビストの攻勢がある。昨年は外資による買収提案を受けた企業が193社あった。日本企業はみんな小粒である。時価総額トップのトヨタ自動車(7203)でさえ、46兆~47兆円にすぎない。アメリカ市場トップのエヌビディア(NVDA)の14分の1、テスラ(TSLA)の4分の1にとどまる。

まあ、「失われた30年」の間に、日本人はみんな貧乏になってしまった。世界的な株高なのに、個人金融資産の68%(保険を除く)が現・預金では資産が膨らむはずがない。アメリカは株式・投信が個人金融資産の74%を占めている。現・預金のウェイトはわずか12%だ。すなわち、日本人にはリスクを取る勇気が欠けている。

これは明治以来の伝統である。マル優制度にみられるように、国策がそうだった。しかし、これは変わった。NISA、新NISAの導入がその象徴だろう。好業績、高配当のTHK(6481)、大平洋金属(5541)、東亜道路工業(1882)、グンゼ(3002)、アネスト岩田(6381)、国際計測器(7722)などは波乱に勝つ底力がある。

当時の欧米列強は植民地主義である。日本は狙われていた、と思う。ペルーの来港は捕鯨船の水・食糧の確保ではない。下見だ。明治新政府にとって富国強兵が急務だった。その国造りには資金が必要である。このため、国民に貯蓄に励めと訴え、「自分で運用すること」はタブーだったのだろう。

それが戦後も続いた。まさに、「マル優制度」が象徴的ではないか。この結果、個人金融資産の5割強(保険を除くと、7割が預金)という異常な状況になったのだ。これでは資産が増えるはずがない。既報のように、アメリカは個人金融資産の現・預金の比率は12%にすぎない。逆に、株式・投信のウェイトが74%ある。

10月31日(金曜)に日本証券新聞社主催、大山日ノ丸証券協賛の株式講演会を開催します。

会場は倉敷市芸文館、筆者(杉村富生)の登壇は15301630です。

演題は『年末~新春相場を展望する!』になります。入場は無料、ぜひご参加を。

https://www.nsjournal.jp/seminar/20251031kurashiki/

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