高齢者はみんなお金持ち、というウソ!(2)

杉村富生 兜町ワールド

いや~、現実は厳しい。「失われた30年」の間に、日本人は「貧乏慣れ」してしまった。自助努力よりも行政に頼ろうとする。もちろん、こんな人達は株式投資をまったくしていない。日本の個人金融資産のうち、保険を除くと、現・預金の比率が68%だ。アメリカは株式・投信が74%である。これでは格差は拡大するばかりだろう。

国としても外国との格差が顕著になっている。プロゴルフの賞金額などがそうだ。先般、都内の麻布台ヒルズ森JPタワー(64階建て)の最上階(1500平方メートル)の値段を聞いてビックリ。何と、2億ドル(約300億円)だった。いや~、誰が買うのか。実はシンガポールの金持ちが買った、という。

いやはや、日本は貧乏になったものだ。やはり、株式投資だろう。1011月相場では揺れに備え、シートベルトを締めるとともに、利食いを優先したい、と主張している。物色面では主軸株を避け、富士急行(9010)、ローム(6963)、高島屋(8233)、データセクション(3905)、オリエンタルランド(4661) などが狙い目となろう。

さあ、104日はいよいよ、自民党総裁選の投開票だ。誰が新総裁に選出され、新首相になるか。これが日本の将来を決める。現状は小泉進次郎農林水産相と高市早苗前経済安全保障相の一騎打ちといわれている。しかし、選挙は水物である。フタを開けてみなければ分からない。もちろん、それを予測するデータはある。

長期金利の動向だ。10年物国債利回りは先週、1.665%まで上昇した。これは財政リスクを反映したもの。高市氏の健闘を意味する。これが低下するようだと、小泉氏優勢となる。なお、金利の変動要因はタームプレミアムとリスクフリーレートに分解できるが、ここでの金利上昇はタームプレミアム(財政リスク)である。

10月18日(土)にラジオNIKKEI & プロネクサス共催 企業IR&個人投資家応援イベントin東京を開催します。会場はコンファレンススクエアエムプラスになります。

筆者(杉村富生)の登壇時間は1625分~1725分です。入場は無料、ぜひご参加を。2025年後半の相場展望、および活躍期待セクターについて解説します。

https://www.radionikkei.jp/irevent/251018tokyo.html

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