9月相場は波乱含みである。アノマリーとはいえ、この時期は荒れる。マーケットではトランプ関税の影響が読みづらいことに加え、トランプ大統領のFRBに対する介入(クック理事を解任)を気にしている。債券監視団は現状では「様子見」だが、債券売却→金利上昇を招く可能性があろう。
もちろん、日経平均株価は4月7日の3万0792円を安値に、8月19日には4万3876円の高値まで一気に急騰してきた(1万3085円幅、42.9%)。それだけに、ここでの調整(利食い優先)はやむを得ない。しかし、地合いに引きずられた過度の悲観は禁物である。
4月以降の株価急騰の背景には再三指摘しているように、怒りの猛反騰劇シナリオ(第1幕、第2幕)のほか、企業改革の進展、株主還元姿勢の強化、需給の改善(外国人買いの急増)、政策転換(減税・財政出動)期待、世界的な金融緩和基調、などがあった。この潮流は不変だ。だからこそ、「不安は無用」と主張している。
物色面では夏枯れ(裁定解消売りが先行する展開)商状だけに、個別材料株での小すくい作戦が有効だろう。JX金属(5016)は抜群に強い。押してもすぐに切り返してくる。下値にはビッシリ買い物は入っている。半導体関連(素材供給)という切り口がある。アメリカのアリゾナ州に新工場を建設中である。
このほか、好業績のAiロボティクス(247A)、KeePer技研(6036)、日本電子材料(6855)はロングランに狙える。KeePer技研は出光興産(5019)と連携の車のカーコーティング事業(ガソリンスタンドに併設)が伸びる見通しだ。ALSOK(2331)は切り返してきた。日本電子材料は第4次産業革命を背景に飛躍が期待できる。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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