FRBの責務は雇用の確保と物価の安定にある!(2)

杉村富生 兜町ワールド

いや、ベッセント財務長官はEQ(Emotional Intelligence Quotient))が高いが、IQも高い。苦労人だ。ジム・ロジャーズ氏の事務所のソファーに住んでいたことがある。いまや、トランプ政権の政策の要の人物になっている。彼が世界の金融界のキーパーソンなのは間違いない。したがって、その言動は要注目である。

トランプ大統領が「次期FRB議長の有力候補は君だ」と言った局面での絶妙の断り方は前日に触れた通りだが、これに対し、トランプ大統領は「う~ん、無理か。君が最適なのだが…。それならFRBを財務省の下部機関にしたらどうか」(トランプ大統領の構想にある)と発言したとか、しないとか。

その彼はヘッジファンドの“親玉”である。改めて述べるまでもない。彼はジョージ・ソロス氏が唱えた「再帰性理論」を信奉している。従来の「効率的市場仮説」とは異なる。最近の株式市場は経験則が通用しない。いわゆる、「再帰性理論」が浸透している。これが異次元の相場だろう。

トランプ大統領の行動哲学を先読みすると、次期FRB議長は利下げ、金融緩和派(大統領自身がアメリカ国債を160億円買っている金利低下債券価格上昇儲かる図式?)が望ましいが、「中央銀行の独立性」などを唱える勢力が存在する。これはやっかいだ。それならば…FRBを財務省の下に置き、副官が監視する。

さて、バイオテクノロジーセクターは秋の学会シーズンを控え、話題を集めるだろう。アクティビストが大量取得しているほか、筆頭株主と2位株主の対立が伝えらえている思惑妙味のわかもと製薬(4512)、好実態の住友ファーマ(4506)、ペプチドリーム(4587)、再生医療のクオリプス(4894)に妙味があろう。

ラジオNIKKEIの投資情報番組「ザ・マネー〜水曜日 視界良好!杉村商店」は毎週水曜1430分から生放送。オンエア後はラジコタイムフリーで配信!

パーソナリティは経済評論家 杉村富生です。どうぞお楽しみください!

https://www.radionikkei.jp/themoney/

目次