まあ、当面は日米ともに、インデックス(日経平均株価、NYダウなど)は高値もみ合いに陥るだろう。主要投資家のファンドマネージャーはサマーバカンスだ。日本はお盆休みに入る。それに、日経平均株価は4月7日~7月24日に1万2727円、36.6%の急騰劇を演じている。4日のNYダウは58ドル高と猛反発したが…。
外部環境では政治の不透明さが株価の抑制要因になろう。ただ、個別物色機運は極めて旺盛である。物色面では日本アビオニクス(6946)、SCSK(9719)、三菱電機(6503)、NTT(9432)などに妙味があろう。NTTはAIデータセンターの本命的な存在といわれている。株価はジリジリと水準を切り上げている。
さて、FRBの利下げ機運の後退(9月利下げ開始説は再浮上)とともに、ハイテク系の株価が軒並み波乱となっている。上昇相場は終わったのだろうか。いや、それはない。第4次産業革命の進展を背景に、AIサーバー、データセンター、ビックデータ、ロボティクス、ブロックチェーン、電力、ケーブルなどの関連需要は急増する。
確かに、足元の相場はNYダウ、ナスダック指数、および中国景気の減速に引きずられている格好だが、基本は押し目買いだ、と思う。再三指摘しているように、生成AI市場は2022年の360億ドルが2032年には1.8兆ドルと、10年で約50倍に拡大する、といわれている。それを支えているのはエヌビディア(NVDA)の半導体である。
ただ、注意を要するのはTSMC(台湾積体電路製造)、ブロードコム(AVGO)、エヌビディアなどAI半導体は好調だが、アナログ・デバイセズ(ADI)、インテル(INTC)などレガシー半導体は業績、株価ともにまったくさえないこと。半導体業界では2極化が進んでいる。これは半導体製造装置メーカーにもいえるのではないか。
10月29日(火)から『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載が始まりました。
コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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