スケール面での出遅れは時価総額5兆円のセブン&アイ・ホールディングス(3382)がカナダ資本(ガソリンスタンド、コンビニ経営)にM&A攻勢をかけられた(その後、撤回)ように、狙われる可能性がある。
日本は別(とはいえ、政局混迷を背景に、金融正常化は遅れる?)だが、世界はアメリカを中心に超金融緩和の時代を迎えている。お金(流動性)はジャブジャブになる。東京電力ホールディングス(9501)の時価総額は9293億円である。
フジ・メディア・ホールディングス(4676)の買収劇は一応、治ったようだが、実はいまだにくすぶっている。時価総額は8857億円にすぎない。旧村上ファンド系のレノの保有割合は16.32%に高まっている。ダルトン・インベストメント、SBIホールディングス(8473)側は経営権奪取の夢をあきらめていない、と思う。
日本には世界に通用する商品開発力、技術力を有する企業が数多く存在する。しかし、スケール(時価総額は相対的に小さい→国内では大企業だが…)的に小粒である。たとえば、ファナック(6954)は4.2兆円、村田製作所(6981)は4.4兆円、ダイフク(6383)は1.4兆円、キーエンス(6861)は14.3兆円だ。みんな狙われる。
さらに、東京エレクトロン(8035)は13.1兆円、ニデック(6594)は3.6兆円、SUMCO(3436)は4265億円、アドバンテスト(6857)は8.8兆円、東京精密(7729)は4037億円、信越化学工業(4063)は9兆円、イビデン(4062)は8853億円にとどまっている。
10月29日(火)から『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載が始まりました。
コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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