もちろん、日本株はスケール(時価総額ベース)的に出遅れが著しいのは確かである。7人のサムライ(東京市場の時価総額上位7社)の合計時価総額は152.6兆円すぎない。これに対し、マグニフィセント・セブン(すばらしき7人→アメリカ市場の時価総額上位7社)の合計時価総額は2747.8兆円に達する。
いやはや、悲しい話だ。日本の7人のサムライはアメリカ市場の時価総額上位7社の18分の1にとどまる。もともと、『マグニフィセント・セブン』は黒澤明監督の映画『七人の侍』のリメイク版ではないか。
小粒なのは大企業だけではない。光海底ケーブル部品では世界シェアトップの湖北工業(6524)の時価総額は697億円、半導体輸入商社のシンデン・ハイテックス(3131)はPER6.8倍、PBR0.73倍と出遅れているが、時価総額は60億円にすぎない。AI関連のABEJA(5574)は362億円である。
まあ、エヌビディア(NVDA)の時価総額は624.7兆円と、イギリスの株式市場の時価総額よりも大きい。東京プライム市場には1624社が上場しているが、時価総額は974兆円(7月22日現在)だ。マグニフィセント・セブンに負けている。約3分の1のスケールだ。会社数は7社対1624社である。しかし、この修正が始まっている。
ちなみに、7人のサムライの時価総額はトヨタ自動車(7203)が44.1兆円、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が25.1兆円、ソニーグループ(6758)が22.7兆円、日立製作所(6501)が20.4兆円、任天堂(7974)が16.8兆円、ソフトバンクグループ(9984)が17.1兆円、ファーストリテイリング(9983)が14.8兆円である。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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