4月以降、急騰(日経平均株価は4月7日の瞬間安値3万0792円が6月30日には4万0852円のザラバ高値→上昇幅は1万円強、上昇率は32.7%)してきただけに、目先は利食い売りが出やすい状況にある。テクニカル的にはマーケット自身が調整を欲しがっている、と思う。
もちろん、外部環境は相変わらず、不透明だ。トランプ関税の日米交渉は難航している。猶予期限の7月9日までの決着は期待できない。日本側はトランプ大統領はもとより、交渉責任者のベッセント財務長官に相手にされていないようだ。どこで、ボタンを掛け間違ったのだろうか。
さらに、7月20日の参院選挙が控えている。与党(自民党、公明党は非改選が75、計算上は50以上の議席確保によって、定数248の過半数125を確保できる)には逆風が吹いている。野党は減税を主張、与党は給付金だ。どちらもバラマキ(ポピュリズム)だ。双方ともに、この国をどうするのか、の視点に欠けている。
とはいえ、株価の大崩れは考えにくい。買い気は極めて旺盛である。外国人は4月第1週~6月第3週に、13週連続の買い越しとなった。この間の買い越し額は4兆4009億円に達する。13週連続の買い越しは2012年11月~2013年3月(アベノミクス相場のスタート時)の18週連続以来、12ぶりのこと。
物色面はどうか。第4次産業革命を背景に、電力需要の急増が見込め、出直り態勢の東京電力ホールディングス(9501)、レアメタルのアルコニックス(3036)、新薬(パーキンソン病)の開発が進む住友ファーマ(4506)、下水道整備の本命的な存在の栗本鐵工所(5602)などに妙味があろう。
経済評論家 杉村富生の7月~8月の講演会情報を更新しました。
7月は埼玉・大宮(10日)、東京(17日)、福岡(26日)、8月は東京(2日)で開催します。
ぜひ、ご参加してみてはいかがでしょうか。会場でお会いしましょう。