波乱相場では好業績、テーマ性内包銘柄の押し目買い戦術が有効である。いわゆる、GARP (Growth at reasonable price→優良株の安いところを買う)作戦だ。ここではスタンド・オフ防衛関連セクターが面白い。その代表銘柄がミサイル防御の日本アビオニクス(6946)だろう。
主力ユーザーはNEC(6701)、三菱重工業(7011)だ。ちなみにスタンド・オフ防衛では貴重な兵士が前面に出ない。闘うのはドローン、無人機、ミサイルなど。サイバー防衛も含まれる。日本アビオニクスはこの分野の第一人者である。なお、イスラエルとイランの軍事衝突は泥沼に陥ることはない、と思う。
現在、推進中の防衛力整備5カ年計画ではスタンド・オフ防衛予算が5兆円計上されている。前の5カ年計画ではわずか2000億円だった。時代は劇的に変化している。イスラエルとイランの戦争はほとんどがドローン、無人機による空中戦だ。夜間の迎撃システムを眺めていると、ゲームの世界に近い。不謹慎と言われそうだが…。
菱友システムズ(4685)は三菱重工業が発行株式数の31.1%を保有している。情報処理、ソフト開発、設備解析などを得意とする。スタンド・オフ防衛の切り札的な存在である。IBMの有力国内代理店だ。業績は好調に推移している。1株利益は500円超ある。
もちろん、中東情勢の緊迫化はINPEX(1605)などエネルギー関連セクターに関心が集まる。ブラックロック(BLK)のローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)が唱える「Make Energy Great Again( MAGA)」は今回のイスラエルとイランの軍事衝突を予言していたのだろうか。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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