株式投資には戦術として大別すると、長期・逆張り、短期・順張りがある。最近は国際マネー、個人投資家など多くが値動き(トレンド)重視だ。逆張り投資家は少なくなっている。昔は「現物沈潜」などの営業戦略があったが、昨今はあまり聞かない。そんな「悠長なことはやっていられない」ということか。
現在の主流は順張りだ。徹底して元気なマーケットに照準を合わせ強い銘柄を攻める。強いセクターの代表は「上場来高値銘柄」だろう。需給面では全員利食いの状態にある。もちろん、テーマ性内包、好業績だ。さらに、思惑材料を秘めている。チャート的には「青空圏を疾駆」と表現する。
具体的には三井海洋開発(6269)、三菱重工業(7011)、内田洋行(8057)、トーセイ(8923)、センコーグループホールディングス(9069)、IHI(7013)、能美防災(6744)、ホーチキ(6745)、三機工業(1961)、関電工(1942)、日本ヒューム(5262)など。アクティビストの介入銘柄は総じて逆行高を演じている。
「PPIH」と呼ばれるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)、「無印良品」の良品計画(7453)は小売業の勝ち組だ。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは「ドン・キホーテ」を展開している。店舗は国内トップを誇る。店舗数の2位は西友を買収したトライアルホールディングス(141A)である。
ただ、トライアルホールディングスの2025年6月期は予想を下回る。西友を手に入れたことによって、西日本中心の店舗網は一気に東日本に拡大する。ただ、当初は買収費用が収益の圧迫要因になろう。成長路線が明確になるにはちょっと時間がかかるかも知れない。現状は逆張り銘柄だろう。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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