昔の話である。野村証券の社長、会長を歴任、プロ野球巨人軍の後援会組織「燦燦(さんさん)会」の会長をされていた瀬川美能留氏の書籍だったか、新聞(週刊誌?)か、何かで読んだ記憶が残っている。89歳で亡くなった巨人軍の長嶋茂雄終身名誉監督のこと。長嶋選手のデビュー直後、ないしは全盛時代の会話である。
「長嶋くん、野球の“旬”は短い。今は良いが、退いた後の暮らしはどうするのかね」
「何も考えていません」
「契約金とか、給料とか、たくさんもらっただろうし、もらうと思う。プロ野球選手はパ~ッと散財する人が多いが、少しは蓄財、株式投資を考えてみたら…?」
「エッ、証券などまったく知識がありません。野球一筋です。」
この反論に対し、瀬川氏は「ごく身近な会社の株式をコツコツと買うんだよ。君はこの球場までどうやって来た?電車<京王電鉄(9008)>か、東京ドーム(当時は後楽園球場)はどうか。野球用品のミズノ(8022)とか、お世話になっている企業の株式はずっと持ち続けられるじゃないか」と諭した、という。
実際、長嶋氏が株式投資を行ったが、どうかは不明だが、60年以上にわたって日本を代表する銘柄を買っていたとすると、相当な資産になっている、と思う。少なくとも関係の深かったセコム(9735)の株主だったのは間違いないだろう。まあ、余計なことだが、相続税が心配になる。
良品計画(7453)は「無印良品」の企画開発、商品調達、流通・販売を幅広く手掛けている。店舗網は国内が651店、海外が717店だ。最近はヘルス&ビューティー(化粧品など)が急成長を示し、2025年8月期、2026年8月期ともに史上最高決算となる。連続増配中(前期40円、今期44円、来期58円)である。
6月21日(土曜)にラジオNIKKEI&プロネクサス共催企業IR&個人投資家応援イベントin熊本のイベントを開催します。会場はTKP熊本カンファレンスセンターになります。筆者(杉村富生)の登壇時間は15時40分~16時40分です。入場は無料、ぜひご参加を。2025年の相場展望、および活躍期待セクターについて解説します。https://www.radionikkei.jp/irevent/250621kumamoto.html