NASDAQ市場のコアウィーブ(CRWV)は暴騰、急落を繰り返している。AI(人工知能)、高性能コンピューティング(HPC)に特化したアメリカのクラウドインフラ企業である。エヌビディア(NVDA)のGPUを活用した演算処理の提供を行っている。エヌビディアが出資、データセンター関連の本命といわれている。
3月28日に上場したIPO銘柄だ。公開価格は40ドルだった。5月29日には130.76ドルまで上昇、短期間に3.3倍になった。オープンAIとの契約拡大に加え、エヌビディアの出資、カラ売りの激増などがあって、大相場に発展している。ただし、2024年の売上高が19億ドル(前年比737%増)なのに対し、純損失は8.6億ドルである。
このため、アナリストの評価は低い。多くが「買いは慎重に」と。確かに、そうだろう。しかし、アメリカのアマゾン・ドット・コム(AMZN) など巨大IT企業の当初はみんなそうだ。ビックな成長企業は急騰、急落を繰り返し、育つもの。すんなり行かないから面白い。みんなふるい落とされる。
投資に際しては目先の“利”を追ってはダメ。この種の銘柄は10倍、100倍の巨利を追わなければ意味がない。まあ、10~20%の利ザヤを狙う小すくいの投資家は参戦するべきではない。エヌビディア、テスラ(TSLA)だって、数年前までずっと赤字企業だったじゃないか。
オーソドックスな銘柄ではA&Dホロンホールディングス(7745)はどうだろうか。先端半導体の測定などに不可欠の電子ビーム技術に定評がある。走査型電子顕微鏡「CD-SEM」が脚光を浴びている。時価のPERは8.5倍と出遅れているし、2026年3月期の配当は10円増の50円(前々期は35円)とする。
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コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
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