杉村富生 兜町ワールド
もう、来週は6月である。今さら今年の干支(エト)、九星気学ではないと思うが、株式投資に際しての材料としては理解しておく必要があろう。実際、ヘッジファンドなどの投資家には新月・満月などとともに、気にかけている人たちが存在する。
すなわち、2025年の干支は乙巳(きのとみ)だ。乙(きのと)は木の陰を意味し、表と裏という意味では悪いニュースが増える。また、巳(み)はヘビだ。株式市場では「ヘビは足がなくても木に登る」という。材料は後付けになる。
実際、業績などは無視し、小型株が乱高下を演じている。メタプラネット(3350)、リミックスポイント(3825)、エス・サイエンス(5721)などがそうだ。材料はどうでも良いらしい。アメリカ市場ではエヌビディア(NVDA)の出資が明らかになったコアウィーブ(CRWV)が急騰している。もちろん、こちらには材料がある。
ただ、かつて大豆由来の人工肉の先駆者として話題銘柄だったビヨンド・ミート(BYND)の株価は239ドルが現在は2~3ドルになっている。値動きにつられて参加するのは面白いが、機敏な対応が求められる。この種の銘柄はロスカットルールの導入が必要だろう。
話題先行の銘柄は実態を伴っていないだけに、人気離散となると、とことん下がる。100分の1とかになる。それに、最近の小型株のフィーバーには「口座詐欺」的な動向がみられるという。専門家は「100銘柄ほどある」と。ド真ん中の川崎重工業(7012)、IHI(7013)、三菱重工業(7011)は狙える。
10月29日(火)から『日刊ゲンダイ』(夕刊紙)に連載が始まりました。
コラム 経済評論家 杉村富生 「新NISAで買っていい?企業診断」の掲載は
毎週火曜日になります。
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